2021年の4/29でフリーランス10周年になりました。
まあ前職の退社日が4月28日なんで、翌日に設定しています。
せっかく10周年やし、なんか面白いことしたいなとは思っていたのですが、
コロナ禍ですし、いろいろ考えまして、
- 教室の受講生みなさんの経験になる
- このさきどうなるかわからない未来への投資
- 他の教室でやっているところをしらない。あったら教えて下さい。
- 自分がベースを続けざるを得なくなる(ある意味背水の陣)
- 経験者しか知らない世界がある
ってなんだということで
この度!
ヴィンテージジャズベースを教室機材として購入しました。
関連記事
どんな楽器かというと
1961 Fender Jazz Bass Sunburst/Slab 3 Knobs
1961年後期から1962年前期の数ヶ月しか製造されなかった希少楽器です。
ジャコ・パストリアス氏
Led Zeppelinのジョン・ポール・ジョーンズ氏
THE ALFEEの桜井賢氏
岡沢章氏(山下達郎さんほかなどに携わった日本の重鎮ベーシスト)
などなど
使っていたものとほぼ同じであります。
まだ最初の段階ですが
感動補正を差し引いて音質・弾心地はもちろん、今後の資産価値も含めて
購入してよかったと思っております。
とりあえず最初の段階として
購入に至るまでの経緯と体験レポートまとめました。
- ビンテージのベースに興味あるんだけどぶっちゃけなんでなんで高いのか理解できない。
- 実際音はどうなの?ショーウィンドウの楽器なだけに試奏するのもおこがましいんだけど。
- 実際購入しようと思っているが選び方がわからない。
※この記事では検索対策で ヴィンテージとビンテージを混ぜています。
1961年製 Fender Jazz Bass(スラブ張り、2Vol 1Tone) フルオリジナル
で購入したのはこれです。
外観
ラッカーの変化だったり 塗装ハゲだったり歴戦練磨の60歳のベースです。
そして初期しかない漆黒のハカランダ(ブラジリアンローズウッド)指板
赤茶けた いわゆる クレイドット も特徴です。
内部(ギターリックスさんの掲載写真を引用)
NECK DATE 9-61
もちろんスラブネックです。トラスロッドまで指板がきているという。
BODY DATE 9-61
POT DATE 35TH 1961
ちゃんとオリジナルのネック ボディ ピックアップ&配線 とのことです。
楽器の解説
スラブネックかつ3ノブ仕様は62年ものというわれるもので
61年の後半から62年の前半のみとされかなり希少とのことです。
今世に出ている Fender Jazz Bass の一般的な仕様がここから始まっていると思うと感慨深いです。
ここから60年間変わっていないんですね。
これもまたすごい話。
オリジナルのブラウントーレックスケースも付いていました。
ヴィンテージジャズベースの解説はこのサイトなどを参考にしてくださいませ。
ビンテージ・ベース特集Vol.1
世界中のべーシストを惹きつけてやまない60’s フェンダー・ジャズ・ベースの魔力
https://www.digimart.net/vintage/article/2013111901/
同モデル所有のベーシスト
ジャコ・パストリアス
ジョン・ポール・ジョーンズ
THE ALFEEの桜井賢さん
山下達郎さんほかなどに携わったベテランベーシスト 岡沢章さん
が使用したと言われるものと同じものです。
あと 知っている限りでは 中村梅雀さん も所有していますね。
こちらも参考にどうぞ。
ヴィンテージベース使用のプロベーシスト一覧
https://basskojo.com/blog/vintageuser/
この楽器が使われた名盤ベスト3
ミーハー心ではありますが名盤中の名盤ですね。
「ジャコ・パストリアスの肖像」(Jaco Pastorius)
Led Zeppelin IV
IT'S A POPPIN' TIME(山下達郎)
手にとった感想
まず持った瞬間に「軽!」と思いました。
アルダー材なんですけど軽いんですよね。3.8Kg だったっけ。
所有してる Crews のジャズベが 5Kg くらいあるのでえらいちがいです。
でネックのグリップも現行品と全然ちがいなんか細いんですよ。でもしっくり来る感じ。
これは弾いた人しかわからんですね。
音質は?
アンプを通さない生鳴りが抜群になります。
なりの良い楽器をいくつか所有していますが同様な感じ
あと感動補正を抜いても 音の密度がある感じですね。
また現在
PGMのJAZZ BASS TYPE(62年仕様)
他 パッシブジャズベースを4本所有していての比較で
一般的なジャズベースのあのトレブリーな感じとちょっと違います。
EQの曲線の山が 低域側によった感じ、でも魅力的なんですよね。
4/30 の関目アルテコーダのジャムセッションで 自分含め いろんなベーシストにも弾いてもらいましたが アンサンブルで埋もれないいい音していました。
試奏レビュー
4/30 の関目アルテコーダのジャムセッションで親交あるベーシストにも弾いてもらいまして感想書いてもらいました。
材質的な話は分かりませんが、触り心地がとても良かったです。この感じは初めてでした。
音色も素晴らしかったです。中域の密度が高いので、音が太いのに輪郭が出るので、演奏していて、とても心地よかったです。
あれを弾いた人は全員ヴィンテージ楽器が欲しくなると思います笑
ヴィンテージは希少性のみで、経年劣化で演奏性や音は……なんて個体もよくありますが、この個体はサウンドはもちろん、演奏性も現代のハイエンドベースに引けを取らない弾きやすさになっています。
これは行き届いた調整によるものも大きいかとは思いますが、そもそもの個体が良くなければ叶わない事かと思います。
フルオリジナルでこれを可能にしているのは本当に大変な事ですね。
サウンドについてですが、僕はFender系の楽器より、ヨーロッパ圏のハイエンド系を好んで所持しているので、あまり上手な例えができませんが…Fender Jazz Bassのサウンドを基に、ウェッティと称されるような、どこかふくよかで艶のあるサウンドも持ち合わせているように感じました。
意外にもめちゃくちゃ乾いたアメリカンな音とは少し違ったサウンドで、ここがラウンド指板に変わる62年中期までのスラブボード指板の特徴なのかなと思いを馳せました。
エレクトリックベースが51年に登場して10年ばかりで、これだけ完成されたベースが作られていた事にも驚きますし、その歴史の片鱗に触れる事ができるのもこのベースの素晴らしい点かと思います。
ビンテージギター市場の動向と購入に至る経緯
趣味性の高いものの価格が高騰している。
今まで 趣味性の高い 腕時計 他 ブランド物 などは アメリカ ヨーロッパ 日本などでの流通が多かったのですが
ここ10年 中国他 東南アジア 中東 他新興国のちょい小金持ちの増加 ネット売買の一般化 により 値段高騰に拍車がかかっています。
でヴィンテージ ベースをちゃんと調べてみるきっかけは
今年3月に投稿された三木楽器さんのこのブログ記事を見たのがきっかけです。
ヴィンテージギター市場価格推移まとめました。
https://maido.mikigakki.com/press/vintage/
なんと20年前から倍以上の値段がついているではありませんか!
ストラトなんかびっくりするくらい上がっています。
2006年から3倍近い値上がり
で昔の雑誌を引っ張りだして読んでみまして。
JAZZ LIFE別冊 JAZZBASS 2005-2006
新大久保の楽器店の広告
なんとプレCBS 64年製 のミントコレクション(新品に近い)が 約84万!
今 ミントは 軽く250万以上します。
ベースはギターよりユーザ母数が少ないにもかかわらずこれだけ高騰しています。
以前より円安になっているとはいえこれはびっくりしました。
いつかほしいではだめで
手元資金のの余力があるうちにビンテージベースを入手してみようと決断しました。
楽器の選定について
ヴィンテージの付加価値の基準とオリジナリティー優先度について
所有していた過去のPlayerほか雑誌やネットなど
いろいろ調べておりまして
当初はこの
ベースプラネットさんにある個体
Fender 1964 Jazz Bass -Sunburst
https://www.digimart.net/cat03/shop5144/DS06801492/
を狙っていました。
今この値段ですが 3月末には 春のセールで 超特価で出ていたんですね。
店員さんともオンラインビデオ通話でやりとり交渉して 現金一括最終価格で決める寸前まで行きましたが
この楽器はフルオリジナルではなくて
ピックアップ リワインド(まきなおし)+ リフレット 個体
だったんですよね。
これをどう見るか正直悩みました。
またいろいろ調べてこの
東京神田のストラト・クレイジーさんのこのコラムを熟読しました。
これめちゃ参考になります。
後悔しないビンテージ・ストラト選び
http://www.strato-crazy.com/HowToBuyTheVintageStratNew.html
・インターネットの普及もあり 年式・グレードによる相場が保たれている。
・日本のビンテージギター(ベース)の価格は世界の相場にあわせて後発的に上げざるを得なくなっている。でも上げると日本人が買ってくれなくなるので、相場は安め。
・歴史が浅いアメリカでは歴史付加価値の比較的高いものを買い戻す動きが見られる。
まあこれはいいのですが
これが引っかかりまして
なんで非常に魅力的な楽器ではあったのですが見送りました。
四ツ橋のビンテージギターショップ ギターリックスさんで試奏・購入
で、他に気になるこれが出ていまして。
写真右がそれ、ちなみに左は66年製 80年代を代表するあのバンド(ヒント:キーボーディスト含めて 5人)のベーシストが保有していたとのことです。
異様なくらいのビンテージ感!なんなんこれ!
四ツ橋のビンテージギターショップ
ギターリックスさん
http://www.guitar-licks.net/
じゃないですか!
ちゃんと試奏できて検討できるではないですか!
これはというので現物をみれるというので行ってきました。
https://guitar-licks.net/item/1961-fender-jazz-bass-sunburst-slab-3-knobs/
ギターリックスさん店内
※写真許諾済
店入った瞬間 異様な見た目でこれやと思いまして
店主長谷川さんにいろいろきいて試奏させてもらいました。
当初はフラットワウンドはられていたのですが、
鳴っていないベースにフラット貼ったあの感じではなくて、ストンと抜ける感じでこれは行けるなと思ったのです。
また生鳴りも気持ちよくPGMのジャズベを弾いたあの感じに似ています。
でもってネックの反りを見たところ
状態が「60年前の楽器にしては」比較的良好だったんですね。
そしてフルオリジナル!
これはありかなということでしたが最終確認で
ビンテージベース購入時は弦高をどこまで下げれるかは見たほうがいい
もともとの弦高が高めだったので 自分好みの低めに設定してもらいました。
前のオーナーが力入れて力を入れて弾きすぎていたのか
4弦 G とか A とか C でビビったんですよね。
ここも長谷川さんとの相談ですり合わせでなんとかなる範囲かなということで(ココポイント)
即決! UFJ銀行アプリの現金一括払いでいっちゃいました。
ちょっとヒヤヒヤでしたね。
トップザギターさんでメンテンナンス
で購入後即アメ村の有名店 トップザギターさんでメンテンナンス(フレットすり合わせ諸々)してもらいました。
PGMのジャズベを手に入れたところでメンテナンスもほんときっちりやってくれるところなんですよね。
https://toptheguitar.com/
ベーシストで津田ベース教室代表の津田藤宏さんがご来店。@bass2416
素晴らしく年季の入ったベースの調整をさせていただきました。
教室の10周年おめでとうございます㊗️ https://t.co/L38jyL5gtA pic.twitter.com/QN2veO9RHJ— TOP THE GUITAR GENTLY (@TopTheGuitar) April 26, 2021
さすがのルシアー元木さん
おかげで弦高低めでもバッチリ演奏できる良い楽器になりました。
早速 レッスンでも希望する人に弾いてもらっています。
高校2年生がヴィンテージジャズベを弾いているのはおもしろいですね!
最後にまとめ
というわけで、教室10周年ということで ビンテージのジャズベースを導入したエピソードを書いてみました。
まずはまだ最初の段階ですが
感動補正を差し引いて音質・弾心地はもちろん、今後の資産価値も含めて
購入してよかったと思っております。
この楽器60歳ということで、これまでいろんな人の手に渡って来たのだろうと思います。
こうして自分の手に渡ったのもなにか運命的なものを感じます。
教室の皆さんにはぜひともこの楽器手にとってくださいね。
後日エピソード
ギターショップ ギターリックスさんでたまたま同じ時間にギターを取りに来た 同年代のAさんがあそびにきてくれました。
画像は同じ日に購入されたFender USA 61年製ストラトキャスターとの兄弟ショット
弾かせていただき感無量です。
セッションスタンダードでジャムりました。楽しい次第です。
これもっているけどリアルでジャムらない?という方 大歓迎です(特にプレCBS所有の方 大大歓迎です)。
もしよければ問い合わせフォームやSNSより連絡よろしくお願いします。
1961 Fender Stratocaster
Mavis Stratocaster Type
楽器興味ない人には「おなじやん」という写真・・・。